〈ベター・バーガー〉とは、主にファストフード店が扱う高級バーガーのこと。特徴は、1)高品質の牛肉、2)オーダー後にパテを焼く、3)ケチャップは手動式デカボトル、4)値段が高めなどです。
全米でベター・バーガーが最も充実しているのはロサンゼルス。そもそもマクドナルド1号店はこの街の近郊で生まれたし、元祖ベター・バーガーの「イン・ン・アウト」(1948〜)や「ザ・ハビット」(1969〜)、新手の「ウマミ」(2009〜)など、チェーンが凌ぎを削っています。そんな〈激戦区〉に最近乗り込んだのが、ニューヨークの「シェイク・シャック」です。
シェイク・シャックの発祥地はマジソンスクエア・パーク。レストラン経営者のダニー・メイヤーが、ここでホットドッグを売り始めると評判を呼び、次第にベター・バーガー・チェーンへと発展しました。
ウエスト・ハリウッドに開店したシェイク・シャックのロサンゼルス第1号店(上の写真)を訪ねると、平日の昼下がりだというのに行列が。ワンコも並んでいました。
並ぶこと15分。レジで、最もシンプルな看板メニューの「シャック・バーガー」を注文したらカードを渡されました。出来上がったらカードが光るので取りに来いとのこと。
再び待つこと約5分。目の前に差し出されたバーガーは、フツーの形状でした($5.29。ホルモン剤未使用のアンガスビーフ100%)。
が! ひと口食べて驚いた。おいしい!!
牛肉も良質ですが、何よりもおイモを加えたというバンズがモチモチしっとりとして、肉との間で絶妙なハーモニーを奏でています。素材と米が上手に融合したお鮨がおいしいように(名人は、お米に入れる空気量を調整するそう)、ハンバーガーのキモも、肉とパンのコラボにあると初めて知りました。日本海は波高し、バーガーは奥深し。
シャック・バーガーの“背中”。バンズがホットドッグのように端で付いている。おイモ入りバンズは、パスタでいえばポレンタ系。
ファストフード店なのにビールやワインも。フローズン・カスタードと呼ばれる(カロリーが高そうな)アイスクリームも人気。
運転のため飲めないので注文したアイスコーヒー。オーガニックとのことで税込で確か$6〜7ドルと高かった。
感動した私は、翌日からベター・バーガーの食べ較べに勤しみました。結果、連日のバーガーでゲボゲボになった私の胃袋が軍配を上げたのはシェイク・シャックでした。やはりバンズが効いています。食べ物の好みなんて人それぞれだけれど、ニューヨーク、さすが。
元祖ベター・バーガーの「イン・ン・アウト」。老舗らしく正統派の味。奇をてらわないから飽きがこない($2.55〜)。
「ザ・ハビット」のバーガーは炒め玉ねぎを使用($3.25〜)。パテを炎でボウボウ焼くので香ばしい。
数年前に、ウルフガング・パック調理担当のパーティで出てきたベター・バーガーを超えたベスト・バーガー? パテはKobeビーフ、チーズはゴルゴンゾーラ、レタスの代わりにエンダイブというスノッブさ。アホかいな。
「シェイク・シャック」ロサンゼルス1号店
8520 Santa Monica Boulevard West Hollywood, CA 90069
phone:323-488-3010
毎日11AM〜11:30PM
広い駐車場あり
ニューヨークを中心に全米にチェーン網。日本では青山と恵比寿