今夏は異常な忙しさで、毎週のように出張があります。このたびの出張先は、ニューメキシコ州サンタフェ。さすがにもう飛行機に飽きたので、長距離列車、アムトラックに乗ることにしました。約20時間の旅です。
シカゴ〜ロサンゼルス間を往復するアムトラックの「サウスウエスト・チーフ号(Southwest Chief)」。私が乗ったのは、ロサンゼルス〜サンタフェ間です。
サウスウエスト・チーフ号は、かつて「(アチスン・トピーカ&)サンタフェ鉄道」が所有していた路線。チーフは、ネイティヴ・アメリカンの酋長の意。西部開拓者が通ったサンタフェ街道を走ります。 またこの路線は、ほぼ「ルート66」に沿ってもいます。
時刻表。右がロサンゼルス→シカゴ。左がシカゴ→ロサンゼルス。
ロサンゼルス駅の出発予定時刻は6:10pm。列車は、いつものようになんのアナウンスもなくすーっと出発しました。10分遅れ。優秀な新幹線と違い、アムトラックは遅れるのがフツーです。
座席は個室寝台。片道323ドル(約35,000円)だから、ちょい奮発です。ちなみに、飛行機のエコノミーなら1万円くらいでロサンゼルスからサンタフェまで行けます。
個室寝台は高価ですが、食事が付いています(それにWiFiも無料)。今回は、夕、朝、昼の三食付き。寝台車にはスチュワートがいるのですが、食事の前になると「何時に食べたいですか?」と、わざわざ訊きに来てくれます。おおむね雑駁なアメリカっぽくない丁寧なサービスです。
私の車両を担当したスチュワートのフィリップ・スティールさん。ひじょうに優秀でした。アムトラックのスチュワートは、みんな素晴らしいです。
夕飯。コースです。まずはサラダ。ソフトドリンクやコーヒーは無料ですが、酒類は別払い。小さなワインボトルが7ドルでした。
夕飯。メインです。牛ステーキとエビ。温野菜は枝豆でした。メニューから好きなものを選べます。アムトラックの食事はとてもおいしい。
夕飯。デザートとコーヒー。すんまへん、食べる前に撮るべきでしたね。お腹いっぱい。個室寝台に戻りま〜す。
個室でひと休みした後は、シャワーを浴びました。寝台車にはシャワールームもあるのです。タオルや石鹸もたっぷり置いてあります。
シャワーを浴びて個室に戻ったら、ちゃんと寝床が出来ていました。時刻表によると、今頃はカリフォルニア州ニードルズ辺り。荒野なので外は真っ暗です。怖いくらい。電気を消したら、大きなはめ殺しのピクチャー・ウインドウに満天の星空が広がっていました。 寝るのがもったいない。
よく眠って朝の6時頃に目を覚ましました。列車に乗ってから約半日。朝焼けを迎えました。
だいぶん明るくなってきました。風景は砂漠的に。アリゾナ州グランドキャニオンの辺りです。
朝食を前に、整然とテーブルセッティングをして客を待つ食堂車。ピシッとしていて気持ちが良い。
朝食。夕飯同様、メニューから選べます。これはアメリカン・ブレックファースト。おいしかった! スクランブルエッグも見事に半熟で。そこらへんのホテルの朝食よりうんと上等。
朝食後、車内を散歩。3人以上用の個室寝台には、洗面所やトイレが付いています。
ニューメキシコ州に入りました。凄い眺めになってきたよ。
グランドキャニオンのミニチュアみたな風景が続いています。
11:45am。ほぼ時刻表通り、ニューメキシコ州アルバカーキに到着。ここで30分停車です。ホームを散歩する人、タバコを吸う人などそれぞれ。
アルバカーキ駅ホームでは、ネイティヴアメリカンがお土産を売っています。名物みたい。
驚きました。定刻の1:17pmにレイミイ駅到着です。何度もアムトラックに乗っているけど、定刻通りは初めてかも。ここからサンタフェまでは、シャトルバスが用意されています。サンタフェにも駅はありますが、アムトラックは停まらないので要注意。レイミイ駅の目の前には、この地方の伝統的建築様式、アドーベ(干しレンガ)造りの家屋が。ああ、サンタフェまでやって来たんだなあと、しみじみ実感。
下車前に昼食時間だったんですが、「お腹すいてないからいいです」って言ったら、スチュワートがお弁当を持たせてくれました。 ホテルにチェックインしてお弁当を開いたら、充実の内容。アムトラック、お見事!
アムトラックのHPはこちら↓。日本からネット予約できます。