先週7日、フランク・ロイド・ライトによる8つの建築物がユネスコの世界遺産に登録されることが決定しました。
①グッケンハイム美術館(ニューヨーク)
②落水荘(ペンシルバニア州)
③ユニティ・テンプル(シカゴ)
④ロビー邸(シカゴ)
⑤タリアセン(ウィスコンシン州)
⑥ジェイコブ邸(ウィスコンシン州)
⑦タリアセン・ウエスト(アリゾナ州)
⑧バーンズダール邸(通称ホリホック・ハウス)
⑧のバーンズダール邸(the Barnsdall House = the Hollyhock House)は、ロサンゼルス、ハリウッド通りの丘の上に建っています(1921年完成)。 ライトは、ロサンゼルス地区に生涯およそ10の建築物を遺しましたが、バーンズダール邸(写真下)は中期を代表する住宅作品です。
そして実は、このバーンズダール邸では、ワインティスティングができちゃうんです。バーンズダール邸が、修復費募金のために夏期の毎金曜、庭園でワインテイスティングを始めたのは2008年のこと(さすがに、邸宅内で飲酒はできません。庭で邸宅を眺めつつのワインテイスティングです)。今年も、5月末からめでたく例年通りワインテイスティングが始まりました。いいですね、世界遺産でもこのカジュアルさ。以下は、ある週末の模様です。
厳選された4種のワイン(各1杯)が飲める他、バーンズダールと刻印された貴重なワイングラスがもらえます。チケットは、毎回限定600枚、ひとり30ドル。購入は下記のwebsiteで。邸宅見学を含めたチケットは42ドル。
Wine Tastings | Barnsdall Art Park Foundation
バーンズダール邸の別名は、ホリホック・ハウス(タチアオイの家)。施主のアイリーン・バーンズダールさんが好んだ花だそうです。コンクリートの壁面には、タチアオイをモチーフにしたライト独特の文様が施されています(写真)。この文様に、マヤ的要素の他、日光東照宮の影響を指摘する声もあり。現在明治村にある旧帝国ホテル(1923年完成)にスタイルが似ていますね。同じ時期の作品です。
ワインティスティングは、夕方5時半開始。客層は極めてスノッブです。ボルサリーノをかぶり、TOD’Sのドライビングシューズを履いているような人たちですね。まあ、そもそもライト作品を眼前に〈飲む〉なんて行為そのものが気取ってますもんね。
毎回、地元のブティック系ワイン店、「シルバーレイク・ワイン」が4種のワインを厳選。今宵のワインは、チリ産ソーヴィニオン・ブラン、ポルトガル産ロゼ・スパークリング、シシリア産ペリコーネ、アルゼンチン産マルベック。ボトルの背景にバーンズダール邸。なんてオシャレな。
フードトラックは、ロサンゼルスを代表するお店を選抜。出店者は毎週変わります。フードトラックだってスノッブで、ビザ屋さんは〈釜〉持参の懲りよう。なお、お弁当の持ち込みもOKです。このへんのカジュアルさ、お金のかからなさも好き。
バーンズダール邸は、バーンズダール公園内にあります。1927年に、バーンズダール家が邸宅を含む11エーカーの敷地をロサンゼルス市に寄付しました。公園からは、ハリウッド・サインやグルフィス展望台がバッチリ。電車の最寄駅=レッドラインのVermont/ Sunset駅。徒歩7分。車の場合は園内に駐車場あり。
Barnsdall Art Park
address: 4800 Hollywood Boulevard, Los Angeles, California 90027
毎夏、メモリアルデーからレーバーデーの金曜開催
チケット代:30ドル
時間:5:30 pm – 8:30 pm
公園開園時間:毎日5:00 am〜10:00 pm